『うまい』『上手』を言いかえると
音楽活動にしろ、それ以外の創作活動にしろ、「慣れ」っていうのはとても重要なキーワードだ。
ぼくは『うまい』ってことを言いかえると、『ものすごく慣れている』ってことなんじゃないかと思っている。
- 色んな演奏方法
- ライブなどの緊張する状況
- さまざまな作曲方法
- 名曲の研究方法
- アイデアをひねりだすこと
- 詞をつけるために、ぴったりの語句をあれこれ探すこと
これらにものすごく慣れている。イコール、『うまい』ってことだと思う。
慣れている人と慣れていない人
なにかにものすごく慣れている人は、
- 疲れない。
- ミスが少ない。
- 緊張も少ししかしない。
- リラックスしているから、いいアイデアも出る。
- もっと言えば、『いいアイデアを出すこと』にも慣れている
- そして『いいアイデアが見つからない』とき、打開する行為にも慣れている
慣れていない人は、この反対だと思ってもらえばいい。
疲れやすいし、緊張もする。ミスもする。いいアイデアが出るときもあるけど、割合は少なめ。まったくネタが出ないこともある。
どうすれば、早く慣れることができるか?
残念ながら、特効薬はない。慣れるためには「時間」と「機会」が必要だ。
トライして、失敗する。ミスの原因を考える。そのくり返しのなかで、人はじわじわと慣れていく。
なにかに慣れるための、もっとも効率のいい方法は、『コツコツやること』だ。(すごく地味だけど、しかたがない)
毎日の、練習開始時間を決めよう。終了する時間も決める。練習を日課にするんだ。
練習時間は少なめに設定していい。そのかわり『最低、これだけは毎日必ずやる』と決める。
- 体調が悪くてもやる。
- 悩みごとがあってもやる。
- 気分が乗らなくてもやるし睡眠不足でもやる。
- 他にもっとやりたいことがあっても、とりあえず先にやる。
やりはじめれば、不思議とやる気も湧いてくる。
一週間ほど練習しても、効果は実感できないかもしれない。でも、二週間たてば、「あれ?」と思うはずだ。
すごく気分がいい体験
さらに一ヶ月、三ヶ月、ものによっては半年がすぎたころ、『そういえば、かなり慣れたな』と感じるはずだ。
スタート時はすごく苦労していたことが、ほとんど無意識にできるようになっている。身体や気持が力んでいたのに、慣れたあとは、ほんの少ししか力を使わない。
でも、きちんといい音が出る。作曲も作詞もアレンジも、いい感じに進行していく。
『できなかったことができるようになる』のは、とても気分がいい。ぜひきみにも味わってもらいたい。
具体的な練習時間の目安
日々の練習時間は、入門者なら三十分、初心者は一時間程度を目安にするといい。(途中で数分の休憩を入れるように)
もちろん、もっと時間が取れる人、弾くのが楽しくて仕方がない人はたくさん練習すればいい。ただし『毎日の最低限の練習時間』は守るようにしよう。
これが、実はむずかしい。地味で、継続がむずかしいぶん、効果は大きいよ。
※バンド仲間や、そのほかの音楽の仲間がいると、励まし合いながら進める。
「昨日はすげー疲れてたけど、でもなんとか運指とリフ作りとリズム練習はしたよ。でも途中で居眠りして、気づいたら三時間経っていたよ」
こんな感じで、失敗を笑って話すこともできる。練習の状況について話し合えるような、友人、先輩、先生を見つけられるといい。