目次
まずはざっくり解説
・もはや『メジャーが格上』ではなくなっている。
・メジャーの長所は『規模の大きさ』『音楽活動に専念できること』
・メジャーの短所は『活動に制限がかかること』『利益率の低さ』
・インディーズの長所は『自由』『利益率の高さ』
・インディーズの短所は『なんでも自分たちでやらないといけないこと』
いまはプロとアマチュアの境界線があいまいだ
「メジャーレーベルと契約したからプロ」っていうのは、もうかなり古い感覚だよね。
矢沢永吉さんなど、有名ミュージシャンがあえてインディーズに移行するケースも目立つ。
他の仕事をしながらオリジナル曲を発表している人は大勢いる。同人即売会に参加したり、インディーズレーベルからCDを出したり、なかには本業以上のお金を稼いでいる人もいるよ。
メジャーレーベルにはもちろん強みがある。だけどインディーズの一部のバンドは、メジャーのレコード会社に所属する必要性を感じていなかったりもする。なぜだろう?
メジャーとインディーズ、どちらにも長所と短所がある。今回はそのあたりをざっくりと解説してみる。
インディーズの長所
- なんでも自分たちで決めて、活動できる
- 自由。制約がない。
- 他の仕事をしていてもOK
- 利益率が高い。経費を引いたのこりは自分たちのもの
会社と契約しているわけじゃないから、活動の自由度は非常に高い。「作品の方向性、活動方針、どこまで尖ったことをやるか」などを自分で決められる。
ちょっとでも定額制の音楽サービス(Spotify、Apple Musicなど)を利用すると、無数のバンドやミュージシャンがあふれていることに気づく。YouTubeも同様だ。クオリティはもちろんだけど、同時にオリジナリティをしっかり確保しなければ、その創作者には存在価値が(ほとんど)ないと言えてしまう。
またネットのサービスをうまく使えば、自力で、無料(か格安)で、だれでも以下のことができる。
- バンド、曲のプロモーション
- ライブのチケット予約・事前販売(ほぼ自動。クレジット決済も)
- 動画の配信
- 楽曲の配信(有料も)
これらの観点から考えると、インディーズで活動するメリットがわかりやすいと思う。
インディーズの短所
- なんでも自分たちでやらなければならない
- 創作やライブ以外のことに時間が取られる
(たとえば、宣伝や営業、オリジナルグッズの企画、スケジュールやお金の管理、機材の運搬、メイクなどだ)
これらを負担に感じるようなら、インディーは向いていないかもしれない。
メジャーの長所
メジャーのレコード会社と契約しているミュージシャン、作曲家、作詞家の場合。(実際にはもう少し複雑だけど、それは置いておく)
- 契約金、月々固定のギャラが支払われる
- 会社が制作費や広告宣伝費を出してくれる
- 整った制作環境が用意されている
- 大規模な宣伝、ライブがやりやすい
- 各種の専門スタッフがいる
- 会社が持っているノウハウ、人脈が使える
(※レコード会社や契約内容によって異なるので、参考程度に)
メジャーレーベルに所属すれば、ある程度、生活が安定する。環境が整っているので、音楽活動に集中することができる。規模はさまざまだけど先行投資もしてもらえる。
ただし競争はきびしい。そして期限も定められている。3年~5年ごとに契約の更新があるはずだ。当然、契約を打ちきられることだってある。
メジャーの短所
- 活動や創作の内容に制限がかかることがある
- 不本意な活動をしなければならない(こともある)
- CDや楽曲の売り上げがそのまま報酬に反映されるわけではない
まず、活動に制限がかかる。大きな会社であるほど、刺激の強い言動、尖った表現は避けなければならない。(例外はあるけどね)
作品の方向性についても、完全な自由はない。これらはオリジナリティに関わる重要な問題だ。
そして、印税の問題。たいていの作曲家、作詞家は印税(売上の3%程度。カラオケなどで楽曲が使用された場合も発生する)がメインの収入源だ。印税はとてもありがたいものだけど、問題はその配分率だ。3%はいかにも少ない。
しかもこれを作詞者、作曲者で等配分することになる。(二曲収録されたシングルCDなら、売上の3%を四人でわけることになる。印税はカラオケなどで楽曲が使用された場合にも発生する。映画などで楽曲が使われる場合は使用料が支払われる)
CDが十数万枚売れるのが珍しくなかった時代は、これでもいい感じに稼げる人が一定数いた。
いまは音楽配信定額制サービスからの収入が増えているけど、この状態がずっとつづくとは思えない。どうやって暮らしを成り立たせるか? ということは真剣に考えないといけない問題だ。
※ちなみにインディーズの場合、売上から経費を引いた金額がすべて自分たちのものになる。経費をどれだけかけるかは人それぞれ、状況次第だけど、個人的には売上の50%を越えたら失敗じゃないか?と思う。
「メジャーだからえらい、すごい、お金も稼げちゃう」とは限らない
個人が発信するための手段はたくさんある。ファンと直接つながって、作品やライブの告知を自分ですればいい。
オリジナル作品を販売するための場も、いくつもある。そういう場所同士で競争が起こるから、手数料も下がるし、登録管理の手間も以前より減っている。
ぼくはなんでも自由にやりたい性格だから、メジャーよりインディーズの方が性に合っていると思う。
きみもメジャーとインディーズ、それぞれの特徴を比較して、自分に合っている方を志望するといい。目標があると、それをはげみにがんばれたりするからさ。
一度メジャーでデビューして、ファンを増やして、そのあとインディーズに戻って自由にやるっていうのもいいね。