バンドメンバーを募集するときのコツと注意点

『バンドメンバーを募集するときのポイント』をざっくり解説すると

  • 事前にしっかりとした自己紹介を用意しよう。
  • できるだけたくさんの人と会い、しばらく様子を見よう。
  • 可能であれば、バンドはかけ持ちした方がいい。
  • 知らない人と会うわけだから、最低限の注意は忘れずに。

メンバー募集の方法は、大きく分けると3つ

  • 友人、知人の紹介
  • 練習スタジオにチラシを貼らせてもらう
  • ネットのバンドメンバー募集サイトを利用する

せっかくだから3つともトライしよう。できるだけたくさんの『仲間候補』と知りあったほうが、相性の良いメンバーを見つけやすいから。

  • 友だちに、楽器を弾いている友人がいないか聞いてみよう。
  • スタジオに行ってみよう。バンドメンバー募集用のスペースがあるなら利用する。
  • 検索をすれば、バンド仲間の募集に使えるサイトがいくつも見つかる。

これらの仲間探しの活動をするとき、ちょっとしたコツがある。いくつかのポイントを押さえておくと、いろんなことがスムーズに行って、良い結果を招きやすい。

まずは自己紹介だ。

これが最重要だ。自己紹介のデータづくりは、あせらずじっくり、時間をかけよう。

きみができること、好きなことをしっかり書く。できれば実際の音源にもアクセスできるようにする。たとえばこんな感じだ。

バンドメンバー募集時の自己紹介の例

  • 名前 ダーヤマ
  • ギター歴 一年六ヶ月
  • これまでの活動
  • バンド未経験です。これまでは「バンド名」のカバーなどをしていました。「曲名」や「曲名」のギターパートを完全コピーしました。完コピした曲はぜんぶで二十曲ほどです。
    (可能であればきみの演奏を録画して、ネットで見られるようにする)

  • オリジナル曲
  • ストックが十曲ほどあります。(すでにオリジナルを作っているなら、ぜひアップしたい。その曲に他のミュージシャンが参加している場合は、それも書いておく)

  • 機材について
  • (所有しているエフェクターやソフトをシンプルに書く)
     

  • 活動(練習)可能エリア
  • (毎週集まることになるだろうから、あまり遠くないほうがいい。無理のない範囲で)

  • 活動できる時間、曜日
  •  週に二回、19時以降ならスタジオ練習が可能です。土曜日、日曜日は、早めにスケジュールがわかれば、朝から夜まであけられます。
    (無理のない範囲で)

  • 好きなバンド。目ざしている方向性、やりたいジャンルについて。
  • (短く、はっきりと書く)

  • 相手に望むこと
  • (もしあるなら、年齢や性別など)

  • 連絡先
  • (まずはフリーのメールアドレスにしよう。新規にアカウントを作る)

  • 最後のメッセージ
  • 「気になった方は、ぜひ連絡をください。これまでの活動や実績など、教えていただけるとうれしいです」と書いておく。

※注意点1 できるだけ短くシンプルに伝える。

入門者~初心者の場合、熱意が強すぎて、自己紹介の文章が長くなってしまう傾向がある。特に「どんな音楽、バンドが好きか」「これからどんな活動がしたいか」という部分に力を入れがちだ。熱意があるのはいいけど、長すぎるのは相手の負担になる。

※注意点2 ハッタリはかまさない。背伸びもしない。

「過去の活動」……これまでどんなことをしてきたかを具体的に。
「現在の実力」……いま、どんなことができるかを具体的に。
この二点についてはしっかりと書こう。
ハッタリはかまさない。実力や過去の活動が、誤解なく伝わるように気を配る。格好つけたり、背伸びをする必要もない。あまりにもレベルのちがう仲間ができると、負担になってしまうこともあるからね。

反応があったら

だれかが連絡をくれたとする。もし不足している情報があれば、きみが先に伝えた内容と同じような形で、相手にも自己紹介をしてもらおう。それを元に、『会うか会わないか』を決める。時間とお金は貴重だ。あまりにも実力に差があったり、趣味や価値観が合わない相手とは、会わなくていいと思う。

ためしに会ってみる

さて、だれかと「ためしに会ってみよう」ということになったとする。
練習スタジオのそばの喫茶店にでも行って、軽く話をする。
初対面の印象はとても大事だ。遅刻は絶対に避けたい。待ち合わせ時間の十五分前には現地に行くといい。できれば三十分前にはその場所に行って、待ち合わせ場所を確認してから近くの喫茶店でコーヒーでも飲むといい。

相手と会ったら、にっこり笑って。ていねいに、誠実に話をする。

顔合わせのときの印象がバッチリでも、あせらない

スタジオに入って、お互いの演奏を披露したり、一緒に演奏してみる。

なんだかすごくいい感じだ。相手もそう言っている。音楽の趣味も合うし、一緒に活動したらきっと楽しいだろう……。

幸運にも、そう思える相手だったとする。「一緒にやって行こう!」と言いたくなると思う。

でも、ちょっと待ってほしい。もしかしたらその人よりも、もっと合う人が見つかるかもしれない。目のまえにいる人は、実は練習にあまり熱心ではないかもしれない。待ち合わせの時間を守らなかったり、スタジオ練習の約束を急にキャンセルするかもしれない。

そういう相手に振りまわされるのは貴重な時間の無駄づかいだ。大切なきみのエネルギーや情熱を奪うことにもなる。だから、仲間は慎重に選んでほしい。

せっかくだから、少し時間や手間がかかっても、きみには『好感の持てる、音楽を愛している、練習熱心な』仲間を見つけてもらいたいんだ。

そのためには、

  • いろんなところに募集チラシを置かせてもらう。
  • すぐに反響がなくても、なんどもつづけて置かせてもらう。
  • ネットのメンバー募集掲示板も活用する。こちらも継続して募集告知をだす。

そして、できるだけたくさんの人と会って、一緒にスタジオに入る。「いいな」「合いそうだな」と思う人がいたら、「ためしに何度か、一緒に練習してみない?」と持ちかける。そのとき「実力をつけたいから、他の人とも練習するし、ちがうバンドにも所属したい。それでもかまわないかな?」と確認する。

きみの活動を「いきなりひとつのバンドや仲間に絞らない」ということだ。自由を確保した状態で、いろいろなところに顔を出して、比較してみる。経験も積める。

  • 相性のいい相手
  • 趣味が合う相手
  • 練習量や活動ペースが合う相手

を見つけたら、次第にその相手やバンドにかけるエネルギーを増やしていく。

「二股をかけるなんて、相手に失礼では?」

そんなことはない。
一方のバンドのメンバーたちも、きみが経験を積んで成長し、その実力を自分たちのグループにも還元してくれるなら、喜んでくれるはずだ。

ごくまれに、自分との活動だけに集中してほしい、という独占欲の強い人がいるかもれしない。そのときどういう選択をするかはきみの自由だけど、いろんなところに知りあいや仲間のミュージシャンがいれば、おのずと選択も変わってくるだろう。

逆に言えば、きみも仲間の活動には寛容であってほしい。きみの仲間がつきあっている別のバンドやミュージシャンとのつながりが、数年後にきみを助けてくれたりすることもあるよ。

トラブルを回避するために

世の中にはいろいろな人がいる。これは忘れないように。

きみが未成年の場合は、募集をはじめるまえに、必ず保護者に相談しよう。もし止められられたら、成人するまでは従おう。音楽スクールに通ったり、学校の友だちと一緒に演奏することに集中する。それでも充分に成長できるよ。

音楽仲間の候補とはじめて会うときは、喫茶店やレストランなどの賑わっている場所、にぎわっている音楽スタジオなど、なにかあってもスタッフが駆けつけてくれる場所を選ぼう。女性の場合はとくに注意が必要だ。

一緒にスタジオに入るようになっても、しばらくのあいだは住所などの個人情報は教えないほうがいいかもしれない。信頼できるようになってから、相手に伝えよう。