デザインが気に入った楽器が、弾きにくかった場合の考えかた
デザインが格好よくて「これがいい!」と思っていた楽器があったとする。でも楽器店で実際に弾いてみたら、意外に弾きにくい。店員さんも強くすすめる雰囲気ではない。こういうときは困ってしまう。
「音がよくない」と感じるなら、その楽器は候補のリストから外すほうがいいだろう。問題は「少し弾きにくいような気がする」場合だ。人それぞれ、正解はちがうだろう。参考までに、ぼくが楽器を購入するときの優先順位を紹介しておく。
- 音
- 弾きやすさ
- デザイン
この順で優先順位をつけて考える。いくら音がよくても、あまりにも弾きにくいとストレスが溜まる。しかし『少し弾きにくい』程度であれば、『そのうち慣れるだろう』と考える。
店員に弾いてもらって、いい音が出ることがわかっているなら、『練習をがんばろう』『そのうち慣れる』と考えるのもいいと思う。
『ずば抜けて弾きやすい。音とデザインはまあまあ』
こういう楽器は、ぼくはいいと思う。他に候補がないなら、この楽器を購入してもいいんじゃないかな。弾きやすい楽器だと、練習時のストレスが少ない。
音楽は、単体の楽器で奏でるだけじゃない。他の楽器や自分の声とのハーモニーが気持ちいい。アレンジ(編曲)をするようになると、だれもが実感することがある。他のパートと重なると、単体で聞くと地味な音のほうが、心地よく聞こえることがあるんだ。
こういう観点から考えると、最初の楽器としては、『ずば抜けて弾きやすい。音はまあまあ』という楽器は、いい選択だと思う。もちろん『ずば抜けて弾きやすくて、音も最高』という楽器が見つかれば、それが一番だけどね。
楽器のデザインについて、もう少し考えてみる
当然、格好良いデザインのほうがいいに決まっている。でも最初は、出音や弾きやすさと比べると、デザインはあと回しでもいいんじゃないかな。
ギターの場合、演奏しているときは、楽器のほぼ側面しか見えない。キーボードは本体の表が視界に入るけど、演奏中は譜面や他の音、鍵盤を意識するから、デザインを気にしている余裕はないかもしれない。
ライブをするようになったら楽器のデザインも大切な要素かもしれないけど、それにしたって観客にとっては、『どんな楽器を弾いているか』よりも『その演奏、曲』のほうが、ずっとずっと大事だ。
ぼくはこう思うけど、人それぞれ、考えもあると思う。参考程度に読んでくれればいい。
もうひとつ、経験上言えることがある。ぼろぼろの楽器でも、弾いているとだんだん愛着がわいてくるよ。不細工な猫が、飼っているうちにかわいくてしかたがなくなる。それとおなじだ。それに、ぼろぼろの楽器のほうがビンテージものみたいで、クールだと感じる人もいるだろう。
もし楽器選びで迷ったら、こんな視点もあるってことをちらっと思いだしてみてほしい。